「筋肉の機能・性質パーフェクト事典」筋トレメニューや食事に関する疑問を解決して筋トレルーティンを作れるようになる一冊
こんにちは、ハルイチです
今回は石井 直方先生の「スポーツ科学の基礎知識 筋肉の機能・性質パーフェクト事典」を紹介します
いざ筋トレを始めても、最初は「何をどうしていいか分からない」ってことになりがちで、何の知識もなく闇雲にやっても効率的なトレーニングはできません
正しい「方法」と「根拠」を理解していないと、「何のための筋トレなのか」っていう目的意識を持つことができないし、間違ったやり方にも気付けないからです
この本では最適な筋トレの方法を科学的根拠とともに紹介してあり、「筋トレメニューやルーティンなどを、自分で考えて実践できるようになる」ことを可能にしてくれる1冊となってます
筋トレには筋肥大に適したトレーニング刺激がある
筋トレは、「筋肉を使って重いものを持ったら太くなる」という単純なものではありません
筋肥大を誘発する複数のトレーニング刺激があって、この刺激が複合的に作用して筋肥大が起こります
なので、筋肥大に適したトレーニング刺激の特徴を知らないと、効果的に筋肥大するための筋トレメニューを作ることができないわけです
筋トレ効果を左右するトレーニング刺激
例えば、「メカニカルストレス」などは分かりやすい例ですね
筋肥大する速筋線維は、普段発揮することがない強いレベルの負荷でないと反応しません
負荷が軽すぎると、どれだけやっても筋肥大しないので、筋肥大を目的としたトレーニングとしては不向きです
ジムでウェイトやマシンを活用したトレーニングの方が筋肥大しやすいのは、このメカニカルストレスによる刺激を得やすいからなんですね
ただ、低負荷であっても「代謝環境」による刺激が得られる筋トレをすれば、筋肥大を誘発することは可能になります
自重トレーニングのように負荷が軽い筋トレでも、回数とセット数を増やして筋疲労(オールアウト)すれば、筋肥大を誘発するトレーニングになるわけです
この場合、可能な限り筋疲労させることが必要なので疲労感は大きいですけど、自宅でもできるというメリットがあります
このように、筋肥大を誘発する複数のトレーニング刺激があって、状況に応じて使い分けることで、効果的に筋肥大するための筋トレメニューを作ることができるようになります
最適な筋トレルーティンを作る共通基準がある
筋トレにはいくつか共通する基準があって、これを押さえておかないと筋肥大に適切な筋トレのルーティンができません
最低限の共通基準に沿ってトレーニングルーティンを作らないと、最悪筋トレ効果を発揮できなくなるからです
筋トレ種目の優先順位を決める「プライオリティの原則」
筋トレの優先順位を決める指標として、「プライオリティの原則」があります
これは筋トレの基本的な順番は、体幹に近い大筋群(胸・背中・太もも)から優先し、その後に他の中筋群(肩・腕・腹筋など)を実施するというもの
何でこの優先順位かというと、体幹に近い大筋群ほど扱える重量が大きいからです
順番を逆にして腕などから筋トレを始めてしまうと、大筋群を鍛える時に最大筋力を発揮できず、トレーニング効率が悪くなってしまいます
筋肥大に効果的なトレーニングボリューム(重量✗回数✗セット数)
ジムでウェイトやマシンを活用した筋トレをする場合、「最大反復回数が8~10回の重量で3~5セット」が筋肥大に最適です
これまでの様々な研究で「最大反復回数が8~10回の重量」が最も筋肥大に適していると結果が得られていて、世界中の基準として用いられてます
これは信頼できる基準ですよね
1週間で筋トレ計画を考える「分割法」
筋トレの頻度は1週間に1回でも十分筋肥大は可能です、しかし全身を鍛えるなら、種目数が多くなって時間が長くなってしまうし、1度に全身鍛えるのは体力的にも辛いですよね
なので、全身を筋トレする時は、分割法を使って1回のトレーニング時間を短縮するのが一般的な方法になります
3分割ルーティンの例
このように、筋トレには共通する基準があって、これに沿ってトレーニングルーティンを作らないと、最悪筋トレ効果を発揮できなくなるんですね
ここで紹介したのは一部で、他にも筋トレ効果を高めるための共通基準がいくつかあります
タンパク質には最適な摂取量と摂取するタイミングがある
筋トレによる筋肥大効果を発揮するには、タンパク質の摂取量を増やすことはもちろんですけど、1日に食べる量や、食べるタイミングも考える必要があります
タンパク質は摂取量を増やすほど筋肉になるわけではなく、筋肥大に最適な食べるタイミングがあるからです
プロテインなどでタンパク質を摂取する量とか、摂取するタイミングって意外と迷いますよね
できれば、最適なタンパク質の摂取量やタイミングは把握しておきたいところです
タンパク質1日の摂取量
筋トレで筋肥大を目指す場合のタンパク質の摂取量は以下のようになってます
※出典:「スポーツ科学の基礎知識 筋肉の機能・性質パーフェクト事典」(P183)
体重が75kgの場合だと、75kg✗1.5〜2として、112g〜150gになるわけですね
ただ、この計算は筋肉量や体脂肪との割合を考慮していないので、個人的には除脂肪体重を基準にした計算の方が正確かなと思ってます
また、タンパク質の摂取量は一度に摂りすぎても意味がありません
タンパク質を1度にたくさん摂っても余剰分は筋肉の材料にはならない。タンパク質は小分けにして摂るほうが、1日の摂取量が同じでもトータルとしての筋肥大効果は高くなる。
※出典:「スポーツ科学の基礎知識 筋肉の機能・性質パーフェクト事典」(P182)
とあるように、1度にまとめて食べるより、毎食や食間に分けて摂取するほうが良いわけですね
ちなみに、食べ過ぎたタンパク質はしっかり脂肪になって蓄積されるので、まとめ食いは注意です
タンパク質摂取のタイミング
筋肥大に最適なタンパク質摂取のタイミングとして、以下のように述べています
- 間食をとって食事回数を増やす
- トレーニング終了直後
- 起床後の朝食
要は、毎食しっかり食べて、食間にもタンパク質を摂ったほうがいいってことです
特にトレーニング直後は筋タンパク質の合成をより高めることができるので、プロテインなどで速やかに補給しておきたいところです
食間の間食にもプロテインは活躍できるので便利ですよね
食事でタンパク質の摂取量を増やすことはもちろん、1日に食べる量・食べるタイミングをちょっと工夫することで、ムダなく筋肥大効果を発揮することができます
感想
「スポーツ科学の基礎知識 筋肉の機能・性質パーフェクト事典」いかがでしょうか?
- 筋トレには筋肥大に適したトレーニング刺激がある
- 最適な筋トレルーティンを作る共通基準がある
- タンパク質には最適な摂取量と摂取するタイミングがある
筋トレはちょっとした知識や工夫次第でより効果を発揮できるものになるってことが伝わっていただけたなら嬉しいです
この本は、筋肉を付けるにはどんな筋トレが必要で、どんなメニューでやったらいいのか、タンパク質は1日にどのくらい摂取したらいいのか、色々な筋トレの疑問に答えてくれる内容になってます
「筋トレメニューの作り方やタンパク質の摂取量をどうやって決めたらいいか分からない」と悩む方にオススメの1冊です